マンスリー・ブリコメンド(2015年10月)
10月のマンスリー・ブリコメンドです。
おすすめ演劇のコーナー、コンセプトはこちらです。
演劇のハイシーズンがやってきました。体がいくつあっても足りない。それがシアターゴアーの秋です。(落)
今月のブリコメンド&メンバー紹介
落 雅季子(おち・まきこ)
1983年生まれ。BricolaQドラマトゥルク。劇評を書きながら各地で『演劇クエスト』製作に携わる。「こりっち舞台芸術まつり!2014春」審査員など。 twitter:@maki_co
■10月のブリコメンダー出没警報・注意報
鈴木励滋(すずき・れいじ)
1973年3月群馬県高崎市生まれ。地域作業所カプカプ(http://kapukapu.org/hikarigaoka/)所長を務めつつ、演劇やダンスの批評も書く。『生きるための試行 エイブル・アートの実験』(フィルムアート社)や劇団ハイバイのツアーパンフに寄稿。 twitter:@suzurejio
■10月のブリコメンダー出没警報・注意報
茶河鯛一(ちゃが・たいち)
東京都杉並区生まれ、八王子市在住。小劇場を観たり、近年はよくわからないながらコンテンポラリーダンスも観たりしています。名前についてはスルー推奨。(主に)観劇予定ブログ→ http://hachiojitheater.seesaa.net/ twitter:@chaghatai_khan
■10月のブリコメンダー出没警報・注意報
10月のブリコメンダー出没警報・注意報
※警報は★、注意報は☆、それ以外は▼になっています。
☆9月19日(土)〜10月4日(日)
カタルシツ『語る室』
東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)
http://www.ikiume.jp/
★★9月23日(水)〜10月7日(水)
木ノ下歌舞伎『心中天の網島』
こまばアゴラ劇場(駒場東大前)
http://kinoshita-kabuki.org/
演出・作詞・音楽:糸井幸之介
★★9月25日(金)〜9月26日(土)・10月2日(金)〜10月3日(土)
ワワフラミンゴ『野ばら』
http://wawaflamingo.com/
B&B(下北沢)
▼9月25日(金)〜10月4日(日)
ヨーロッパ企画『遊星ブンボーグの接近』
本多劇場(下北沢)
http://www.europe-kikaku.com/
☆▼9月26日(土)〜10月11日(日)
ロ字ック『鳥取イヴサンローラン』
シアター711(下北沢)
http://www.roji649.com/
☆10月2日(金)〜10月3日(土)
立教大学映像身体学科 松田正隆クラス『東京ノート』
立教大学新座キャンパス(志木、新座)
https://www.facebook.com/eishin.m2013
原作:平田オリザ、演出・脚色:福井歩
☆▼10月2日(金)〜10月11日(日)
20歳の国『文化祭大作戦』
すみだパークスタジオ倉(錦糸町)
http://20nokuni.wix.com/daisakusen
▼10月4日(日)
バットシェバ舞踊団『DECADANCE』
神奈川県民ホール(日本大通り)
http://dance-yokohama.jp/eventprogram/decadance/
音に聞けど未見。(茶河)
☆10月5日(月)〜10月7日(水)
本能中枢劇団『電車という名の欲望』
OFF・OFFシアター(下北沢)
http://honchu.net/
☆▼10月7日(水)〜10月11日(日)
Ank『メゾン』
ブローダーハウス(東松原)
http://ankankank.me/
★▼10月8日(木)〜10月18日(日)
サンプル『離陸』
早稲田小劇場どらま館(早稲田)
http://samplenet.org/
出演:伊藤キム 稲継美保 松井周
ちょっとこれだけ好物がそろうとかえってコワい。らーめんにカレーがのってもいけるけれど、抹茶餡はイヤだもんなぁ。(励滋)
☆★10月9日(金)〜10月11日(日)
川村美紀子『まぼろしの夜明け』
シアタートラム(三軒茶屋)
http://kawamuramikiko.com/
▼10月9日(金)〜10月12日(月)
キラリふじみレパートリー『奇想曲第58番』
富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(鶴瀬)
http://www.kirari-fujimi.com/program/view/460
▼10月9日(金)〜10月12日(月)
かもめ企画『血は立ったまま眠っている』
静浜亭(白山)
https://www.facebook.com/kamome.kikaku
那須から青森に拠点を移してなかなか観られなくなってしまったA.C.O.Aの鈴木史朗。青森よりも近いとはいえ新潟だけど。今はなきアトリエセンティオでの公演にも出演していた、最近は活躍が目立ち始めた俳優たちとのつながりの強さは、わたしが惹かれているものと通じている気がする。(励滋)
▼10月9日(金)〜10月25日(日)
『大逆走』
Bunkamura シアターコクーン(渋谷)
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/15_daigyakusou.html
作・演出:赤堀雅秋 劇団公演はご無沙汰なような。(茶河)
▼▼10月10日(土)
スイッチ総研 恵比寿文化祭スイッチ
恵比寿ガーデンプレイス(恵比寿)
http://switch-souken.tumblr.com/
★▼10月11日(日)
チーム夜営『タイトルはご自由に。』
恵比寿ガーデンシネマ(恵比寿)
http://team-yaei.com/
客席の作り方以外はなんの不満もなかった作品の再演。これは逃さないでほしい。(励滋)
6月好評を博した公演の1ステ限りの再演。(茶河)
▼10月10日(土)〜10月11日(日)
ヘアピン倶楽部『ゆで卵の作り方』
サブテレニアン(板橋区役所前、大山)
http://kumogekiamagaeru.wix.com/official
古典の上演に特化したフェスティバル「板橋ビューネ」。『ゆで卵の作り方』はイヨネスコの作。フェスでは、U−25企画(三団体同時上演)と「雲の劇団雨蛙」の『班女』が気になっているけれど、前者は平日だし後者は札幌かー。そう、前半(8日〜13日)が東京で後半(17日〜18日)は札幌(アトリエ阿呆船)というのもユニーク。でも、東京と札幌が全く別プログラムってのは、フェス感が薄いのでは。(励滋)
★★10月10日(土)〜10月12日(月)
『"distant voices-carry on"〜青山借景』
スパイラル(表参道)
http://www.spiral.co.jp/e_schedule/detail_1600.html
気になっているのは遠田誠・白神ももこ・山田うん。(励滋)
▼10月12日(月)
ピクニック形式パフォーマンス公演『威風DoDo』
汐入タワー(鐘ヶ淵)
http://okatte.info/dodo/
最近流行りのこういうのが好きな方は、観客としてはもちろん出演者としてピクニックしたりただのピクニッカーとして居たり。わたしは路上生活者/経験者のダンスユニット「ソケリッサ!」が出るというので惹かれている。(励滋)
▼☆10月14日(水)〜10月18日(日)
わっしょいハウス『東京の家』
TURNER GALLERY(東長崎)
http://wasshoi-house.com/
▼10月16日(金)〜10月17日(土)
歪『ソラミミホンネレソラシド』
ステージカフェ下北沢亭(下北沢)
https://www.facebook.com/ibitsu1016?_rdr=p
MONOの土田英生の俳優育成講座で出会った三人の女性たちの企画。「いびつ」と読む。彼女たちの日常の想いをもとに土田英生が脚本化し演出も手がける。(励滋)
▼10月16日(金)〜10月19日(月)
入江雅人グレート一人芝居『マイゴールデンヒッツ』
赤坂RED/THEATER(赤坂見附)
http://cubeinc.co.jp/stage/info/iriehitori201510.html
▼▼10月18日(日)
入手杏奈グレートソロダンス『入手杏奈日常見附』
赤坂RED/THEATER(赤坂見附)
http://cubeinc.co.jp/stage/info/irite201510.html
▼10月20日(火)〜10月25日(日)
鮭スペアレ『幽玄音楽劇「ロミオとヂュリエット」』
ザムザ阿佐谷(阿佐ヶ谷)
http://syakespeare.tumblr.com/
▼★10月22日(木)〜10月25日(日)
パラドックス定数『東京裁判』
俳優座劇場(六本木)
http://www.pdx-c.com/
▼10月22日(木)〜10月25日(日)
ナカゴー特別劇場『キンダガートン・コップ』
上野小劇場(上野)
http://nakagoo.com/
☆10月22日(木)〜10月26日(月)
カミグセ『あのこそのことはないちもんめ』
王子小劇場(王子)
http://ameblo.jp/kami-guse/
▼10月22日(木)〜10月28日(水)
流山児★事務所『西遊記』
ザ・スズナリ(下北沢)
http://www.ryuzanji.com/
作・演出:天野天街 音楽:鈴木慶一
▼10月23日(金)〜10月26日(月)
日本のラジオ『ココノ イエノ シュジンハ ビョウキデス』
RAFT(東中野)
http://nihonnorazio.blog.shinobi.jp/
▼☆10月23日(金)〜11月1日(土)
てがみ座『地を渡る舟−1945/アチック・ミューゼアムと記述者たち−』
東京芸術劇場 シアターイースト
http://tegamiza.net/
岸田國士戯曲賞候補作、堂々再演。(茶河)
★☆10月23日(金)〜11月1日(土)
はえぎわ『ゴードンとドーソン〜妻と夫と虎の夢〜』
シアタートラム(三軒茶屋)
http://haegiwa.net/
▼10月24日(土)
本能中枢劇団『百年の行方』
サラヴァ東京(渋谷)
http://honchu.net/
▼☆10月24日(土)〜11月1日(日)
CHAiroiPLIN『三文オペラ』
三鷹市芸術文化センター 星のホール(三鷹)
http://www.chairoiplin.net/
▼10月28日(水)〜11月1日(日)
DANCE DANCE ASIA 東京公演
世田谷パブリックシアター(三軒茶屋)
http://dancedanceasia.com/
▼10月28日(水)〜11月1日(日)
革命アイドル暴走ちゃん『Rebirth オーストラリア凱旋ver.』
あうるすぽっと(東池袋)
http://www.missrevodolbbbbbbbberserker.asia
▼▼10月28日(水)〜10月29日(木)・11月4日(水)〜11月5日(木)
なかないで、毒きのこちゃんバー公演『世田谷区在住。町田みよことその恋人と』
GOKIGENYA(祖師ヶ谷大蔵)
https://twitter.com/sasameeee
▼10月30日(金)〜10月31日(土)
BATIK『BATIK TRIAL vol.15』
森下スタジオ(森下)
http://batik.jp/
☆▼
10月30日(金)〜11月1日(日)
FUKAIPRODUCE羽衣『橙色の中古車』
こまばアゴラ劇場(駒場東大前)
http://www.fukaiproduce-hagoromo.net/
▼10月31日(土)〜11月1日(日)
黒沢美香&ダンサーズ『綱島東1丁目銀座』
スタジオクロちゃん(綱島)
http://mikakurosawa.official.jp/
▼10月31日(土)〜11月3日(火)
SPAC『真夏の夜の夢』
にしすがも創造舎(西巣鴨)
http://www.festival-tokyo.jp/15/program/spac/
セルフ・ナラタージュ #03 菅原直樹(OiBokkeShi)
青年団に在籍し、東京で話題の演劇に頻繁に出演を続けていた俳優・菅原直樹。小劇場ファンの中には、彼のことを覚えている人も多いだろう。
2013年、そんな東京を離れて岡山県・和気町に移住した彼は今、OiBokkeShiという団体を主宰し、老人介護の観点から演劇をつくるという活動を続けている。認知症のお年寄りの言葉を受け止め、否定せずに演技をすることで心を通わせることを実践する「老いと演劇のワークショップ」から始まり、今年の1月には認知症徘徊演劇『よみちにひはくれない』という作品が上演されるまでになった。今年の3月末、私は和気町での『よみちにひはくれない』の上演を観に行き、演劇を通して、老いとボケと死をみつめる彼の言葉を聞いた。
(聞き手・撮影:落 雅季子 舞台写真・ワークショップ写真:岡野雄一郎)
▼和気へ移住
― 和気に移住される前のことをまずは教えてください。演劇を始められたのはいつごろですか?
菅原 もともと映画をつくりたかったんですけど、高校に演劇部しかなくて、一番近いと思って入部したのが始まりです。その時は俳優なんてとてもできないと思っていましたね……恥ずかしがりやだし、興味もない。でも入ってすぐに顧問の先生が書いた脚本に、一言も喋らない「引きこもりの少年役」があったんですよ。まわりの友だちがみんな「これお前(の役)だよ」って言うので、騙されるような感じで舞台に立ったのがデビューでした。一言も台詞がなくても、おもしろいなって思いましたね。でも、その時はまだ自分で何やりたいかわかってなくて、進路を決めずにいたら顧問の先生が桜美林大学を勧めてくれたんですよ。それで3年の夏に、オープンキャンパスに行って、平田オリザさんのワークショップを受けました。それが目からウロコで。「問題を抱えている人が変わるんじゃなくて、環境を変えることによってその人は問題を解決することができる」っていうアプローチを聴いて、恥ずかしがりやの自分でももしかしたら俳優ができるかもしれないと思ったんですね。それで桜美林に行くことにしました。
卒業後は演劇をせずに1年間ぐらいバイトをしてました。卒業後二年目ぐらいからまたちょっとやり始めようと思って、田上パルの作品や、松井周さんの『火の顔』っていう作品に出ました。そこから「キレなかった14才♥︎りたーんず」の杉原邦生さんの『14歳の国』に出て、そこで知り合った柴(幸男=ままごと)さんや神里(雄大=岡崎藝術座)さんの作品にも出るようになりました。2010年4月に青年団に入団して1、2年でこっちに来ちゃったんで、実は青年団の本公演は2012年の『ソウル市民〜昭和望郷編〜』の1回しか出てないんです。
― 奥さまのでも菅原さんのご実家でもない、和気に移住するっていう大きな決断をしたんですよね。
菅原 2012年に、親父が癌で亡くなったんです。葬式の時に、兄貴が働いてる工場から花が届いたりして……。自分は親父が死んだのに何者にもなってない気がしたんですね。花が来ないのは別にいいんですけど(苦笑)、自分の中で「自立したい」っていう気持ちが出てきて。当時子供が産まれたばかりで放射線のこととかも気になったんで……。和気は妻がインターネットで見つけてきました。ぼくはちょうど、千葉で介護の仕事を始めておもしろさを覚えてた頃だったんで、和気の老人ホームで仕事を探して、2013年9月に移住しました。演劇と介護は相性がいいって、千葉の老人ホームで働いてた時から思ってたので、岡山に引っ越しても演劇活動ができる予感はありました。
▼老いと演劇のワークショップ
― 岡山に来て「老いと演劇のワークショップ」を始めたんですね。
菅原 はい。2014年6月が第1回です。和気に来てから出会った移住者の方の提案で助成金の申請をしたり、地元の建具屋さんに人を集めてもらったりして、何とかできました。役場の人が新聞社に電話もしてくれて「社会性がある」っていうことで、開催前に取材もしてもらって。まだ何もやってない状態で取材が来たんでびびりました(笑)。
― 『よみちにひはくれない』に主演されていたおかじい(岡田忠雄さん)はワークショップの第1回から?
菅原 第1回の、一番最初のお客さんでしたよ。開場1時間前に来てました。(会場に併設されていた)図書館の利用者だろうと思ってたら「あなたが菅原さんですか?」って(笑)。新聞の記事を見て参加してくれたみたいです。
― ワークショップや公演が記事になることで、社会的に意味があることだというのは認められるかもしれないけど、それが新しい「福祉」のかたちだという意識は、なかなか浸透しにくいですよね。
菅原 「老いと演劇のワークショップ」に、ぼくが働いている施設の関係者に来てもらったことはあるんですね。OiBokkeShiのメンバーが、地域の方々とぼくを含めた介護チームみたいになったらいいなと思って。でも、まだ始めて1年なんですけど、自分が働いてる施設では実現は難しいのかなって思ったんですよね。……ぼく、3月で老人ホームやめちゃったんです。今後は、レクリエーションがあるようなデイサービスで働こうと思っています。当初は、老人ホームが「老い」「ボケ」「死」にまつわる文化施設になればいいなってひとりで構想してたんです。「地域で面白い芝居を観るなら老人ホームに来てください」って言えるぐらい。そうやって地域の方々が老人ホームに足を運ぶことによって、老人ホームが地域にとけ込んで「老い」「ボケ」「死」が身近になればいいなって。
▼老い・介護と演劇の相性のよさ
OiBokkeShiによる認知症徘徊演劇『よみちにひはくれない』は、参加者が俳優とともに和気の駅前から商店街、河原を歩いて体験する作品である。物語は、20年ぶりに故郷に帰ってきた青年・神崎(菅原直樹)が、和気駅前でいなくなった妻を探す老人(岡田忠雄)と出会うところから始まる。神崎は老人の妻をともに探しながら、かつて自分が飛び出した故郷をふたたびめぐる。果たして妻は見つかるのか。そして神崎は、20年ぶりの故郷の人々とどう接するのか……。
主演の「おかじい」こと岡田さんは88歳。映画が大好きで、演技が大好きな、チャーミングな俳優である。菅原直樹は、おかじいから「監督」と呼ばれているそうだ。ご自身の奥さまの在宅介護をされている中で「老いと演劇のワークショップ」を知り、OiBokkeShiに出会ったおかじいの演技に、私は大きな感銘を受けた。
― 『よみちにひはくれない』を観て、人はどうして88歳になってもこんなに演劇に魅入られるんだろう? と思いました。なぜかわからないけど、おかじいが喋るだけで引力が生じる。敬意が湧いてきちゃう感じなんです。「何のために生きているのか」「人間らしいってどういうことなのか」を訴えてくるようで。
菅原 そうですね。そうかもしれないですね……。本当におかじいと出会えてよかったですね。演劇と老いを体現してる人なんで。やっぱり88歳のおじいさんとフィクションを通じて関わることができるのはおもしろい。岡田さんと密に関わることによって、老人ホームのお年寄りの見方も変わってきました。効率優先の介護現場で働いているとどうしても感覚が麻痺してしまうところがあるので。おかじいと出会ってから、老人ホームのお年寄りを見ていて、心苦しいと感じて、どうにかしなきゃと思うことが増えてきました。
2月公演が終わったあとに岡田さんから電話があって「いやあ、監督、驚きました。老人ホームから電話があって、今度うちの妻の入所が決まったんです。今どうしようか本当に悩んでて、お芝居みたいな感じになってるんです」って。岡田さんは在宅で奥さんを介護していて、今は週に2、3回、通いや泊まりのサービスを利用してるんですけど、老人ホームの順番待ちって突然電話が来るんですね。悩んでたら別の人のところに話が行っちゃうので、すぐに決断するのは難しいけど、施設としては早く決断してもらいたい。で、ちょっと相談に乗ろうと思って、電話をもらった次の日におかじいに会いに行ったんですよ。その悩んでる姿が芝居のあのとおりでダブってて。結局その次の順番にしたんで、奥さんはまだ自宅で暮らされているんですけど、芝居が現実を追い越すような感じになりそうでしたね……。岡田さんの状況によって台詞のニュアンスも変わっていくのかもしれないです。それに、もし岡田さん自身が転んで骨折でもしたら、今の岡田さんの生活できなくなっちゃいますからね。かなり危ういんです。
年取ると本当に決断を迫られるというか、先延ばしにしていたことを一気に決断しないといけない、つらい選択が待ち受けてるんだなっていうのを感じますね。たとえば奥さんを老人ホームに預けるかどうかで悩んだり。夜中に徘徊してしまうので、岡田さんが探しに行かなければいけないんです。早朝に新聞配達の人にノックされて、「お宅の奥さんが2km先の家の玄関で倒れてます」って言われておかじいが歩いて行く、みたいな。若いぼくらでも大変なことを、90近いおじいさんがやってるって思うとすごいなって……。あと、奥さんの身になって考えると、認知症を患って老人ホームに入所するって、人生の中で一番順応力が低くなっている時に、人生で一番の環境の変化がある、っていうことじゃないですか。情緒不安定になったり、いわゆる問題行動が生じたとしても仕方がないことだと思います。老いるって本当になんか……誰でも、穏やかに老いて死ぬことができたらいいんですけど、特別養護老人ホームの90歳の方が「体が痛くて痛くて、こんなつらいことは人生で初めてだ。こんなことが待ち受けてるなんて思ってなかった」と言っていて……。生きるって何だろうな、人間って何だろうなってことを老人ホームで働き始めて考えるようになりました。そういうことを考えて、OiBokkeShiで演劇作品をつくれたらなと思います。
― 以前お話しした時に「社会性がある」って新聞に取り上げられるけど「認知症のお年寄りに向かって演技をするのはオレオレ詐欺とどう違うんだろう?」って考えるって、おっしゃってましたよね。
菅原 いや、悩むんですよ。何のために演技をするかっていうことですよね。認知症の人に対して金のために演技をしたら「オレオレ詐欺」で、ぼくが介護現場で実践している演技は、やっぱりその人のため、ですかね。ただ、その人のためであっても、端から見るとおかしなことに映ることがあるので、そこらへんは悩みますね。……たとえば、岡田さんにはお子さんがいないんです。お子さんがいないことは密に関われる理由にもなるんですけど……。ぼくは、岡田さんとはずっと一緒に芝居を続けたいと思っているんですよ。だからもし岡田さんが車いすになっても車いすの役者として出演していただきたいし、もし寝たきりの状態になっちゃったとしても寝たきりの状態で舞台に出ていただきたいと思ってる。岡田さんも「最後には棺桶に入る役ができる」っておっしゃってる。
― いわゆる「老い」とか「介護」というものに対する一般的イメージと今菅原さんがやろうとしているOiBokkeShiの活動がまだまだ結びついてないんだと思う。
菅原 そうなんですよ、ぼくと岡田さんの関係は、それを変える、新しいあり方を目指すことになっているのかな。子供がいなくて孤立する方って、これからどんどん増えていきますよね。そういう人たちが最期をどう迎えるか。病院でひとりなのか、もしくは若い友だちがそのお年寄りを看取ることもあってもいいんじゃないか。ぼくは岡田さんとは「演劇」っていう趣味を持つ同志というか、世代を超えた友だちみたいなもんなんです。
『よみちにひはくれない』舞台写真より
▼ボケ・認知症のお年寄りとの関わり
菅原 俳優として演技をするっていうことは、ありもしないことを言って本当のことを伝えることだと思うんです。認知症のお年寄りのケアで演技をするのはそれに近いと思いますね。演技をすることでその人と心を通わせる。認知症のお年寄りの場合は、ありもしないことや脈絡のないことを言うわけですよね。その時に論理的に受け取るのではなくて、お年寄りの感情に寄り添う方がいい。その時は、ぼくらの常識では間違ってることでも受け入れなきゃいけないし、見えないものでも見たふりをしないといけない。そういう時にやっぱり演技っていう要素が出てくる。
― でも、認知症の人に相対するための「演技」と、おかじいが生き甲斐を見出している「演技」はちょっと違いますよね。
菅原 そうですね。おかじいがワークショップに興味を持ったのは、もともと自分の好きだった「演技」を認知症の妻との関わりに生かせるということなんですね。ワークショップを受けてから、おかじいも奥さんとの関わりで「演技」ができるようになったんです。理屈でやりあってた頃はいつも喧嘩になってた。だけど、最近は「演技」をして、話を受け止めたり、上手に逃げたりする。だから、ワークショップによって奥さんとの関わり方に「演技」っていうひとつの要素ができた。それともうひとつはぼくらと演劇をつくることで、おかじい自身が楽しむことが出来る「演技」が持てたってことですね。(後者は)介護者の休暇みたいなもんですかね。
― 以前、「老いた姿は、俳優として魅力的だ。お年寄りが歩く姿だけで、俳優として負けると思うくらい存在感がある」とおっしゃっていましたよね。その言葉の意味が、おかじいの演技を観てよくわかりました。介護者として演技が使えると思って始めたワークショップが、俳優としてのお年寄りが輝く演劇につながって、それがお年寄りの生き甲斐にもなっている。
菅原 そうですね! そういうことです。
― そういう意味でOiBokkeShiには「演劇と介護の相性の良さ」と「演劇と老人の相性の良さ」っていう、2つの側面がありますね。
菅原 そうですね、その路線で行きます(笑)。認知症徘徊演劇ではその2つを提示することができたかなと思います。ぼくは介護者として演じるし、岡田さんは演劇を通じて生き生きしている。そんな感じですね。
それから、OiBokkeShiとしての拠点をつくりたいなと今は思ってます。劇場でありつつ、家族介護者や認知症の方の集いの場になるような。家族介護者や認知症の方はいろいろと吐き出したい思いがあると思うんですよね。そういう思いに耳を傾けながら、演劇をつくることができればと。
▼死・いつか来るもの
― 今のところ、老いとボケは描かれてるけど、「死」は直面したかたちでは扱ってないのかなと。それよりは「生」っていう方を強く感じるんです。
菅原 3年で子供も生まれて親父も亡くなって身内ももうひとり亡くなって、死を身近に感じるようになりましたね。介護の仕事も始めて、お年寄りを看取ったりして……。逆説的に、死を考えると「生きる」っていうことを考えることになるんですかね。これからおかじいと付き合っていくとそこで悩むと思う。「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という憲法の「生存権」ってあるじゃないですか。老人ホームでは、入所者の健康状態にはものすごい気を使ってるんです。でも食事はペースト食だしトイレはおむつ、お風呂はストレッチャーで入るし、全然文化的な生活じゃない。一方おかじいは、演劇っていう文化的なものをものすごく大切にしてるんです。舞台で死ねたら本望だって言ってて、演劇があってこそ生きてるって感じなんです。文化が生きる気力を呼び起こして健康的な生活をしようって思うのかもしれないですよね。だけど、これから岡田さんとこれから関わっていくうちに、健康状態が悪くなっちゃって、それでも演劇やりたいっていう時にどう関わっていくのかなって、今でも悩んでるところではあります。稽古をする時に「まず生きてるかどうか」の心配をしますからね(苦笑)。おかじいの家に「今日生きてるかなあ、倒れてないかなあ」って。
― 今のところは老いながらボケながらも生きることを感じてるんですけど、だんだん死に向かっていくということに、もしかしたら今後なっていくのかもしれないですね。
菅原 どうなるんでしょうね。おかじいと密に関わって、おかじいが要介護1になったら「要介護1公演」にして、要介護2になったら「要介護2公演」にして、最期は「看取り劇場」をやれたらいい。看取りはおかじいの家を劇場にしなくちゃいけないので、「看取り劇場」です。どこまでできるかわかんないですけど、ずっと関わっていこうとは思っています。おそらくおかじいは認知症になっても俳優のままだと思うので、ぼくも俳優という名の介護者として共演できたらなと考えています。今も少しそうですけど、介護しているのか演劇しているのかよくわからなくなるんですよ(笑)。
▼おわりに
木更津の、とある宅老所「井戸端げんき」に取材に行った時のことだ。所長の伊藤英樹さんが聞かせてくれた話がある。
「人間の人生は放物線を描くようにできている。子供から思春期を迎えて、大人になり、てっぺんからくだりながら老いて、寝たきりの赤ちゃんに戻って死んでいく。思春期と同じだけの変化が、心にも身体にも起きるのが老いなんだ。」
私は俳優・おかじいの姿を見ながら、その話を思い出していた。今まさに、おかじいの青春を目撃しているんだと思った。でもこの先に待つのは青年期では、ない。だって、おかじいは88歳なのだから。『よみちにひはくれない』は、期間を定めない「ゆるゆるロングラン公演」として、月に一度上演が始まったが、残念ながら上演場所の都合などにより、2015年3月を最後に休演している。しかし、OiBokkeShiはその後も各地で「老いと演劇のワークショップ」を展開し、おかじいとの新作公演『老人ハイスクール』も準備中とのこと。おかじいが、あまりにパワフルでチャーミングだから、忘れそうになる瞬間もある。人が老いるということ、ぼけてゆくこと、いつか死ぬこと。それでも今、演劇をやるということ。演じられては消えてゆく演劇のはかなさ、そして圧倒的な力づよさを、OiBokkeShiから感じずにはいられない。
『よみちにひはくれない』受付装飾(黒板イラスト・あさののい)
★過去のセルフ・ナラタージュはこちらから。
第一回 神里雄大(岡崎藝術座)
第二回 大道寺梨乃(快快)
マンスリー・ブリコメンド(2015年9月)
9月のマンスリー・ブリコメンドです。
おすすめ演劇のコーナー、コンセプトはこちらです。
暑さ寒さも彼岸まで、と申します。野外での演劇の催しも増えてきて、フェスティバルの秋の幕開けを感じさせますね(落)
今月のブリコメンド&メンバー紹介
落 雅季子(おち・まきこ)
1983年生まれ。BricolaQドラマトゥルク。劇評を書きながら各地で『演劇クエスト』製作に携わる。「こりっち舞台芸術まつり!2014春」審査員など。 twitter:@maki_co
■9月のブリコメンダー出没警報・注意報
鈴木励滋(すずき・れいじ)
1973年3月群馬県高崎市生まれ。地域作業所カプカプ(http://kapukapu.org/hikarigaoka/)所長を務めつつ、演劇やダンスの批評も書く。『生きるための試行 エイブル・アートの実験』(フィルムアート社)や劇団ハイバイのツアーパンフに寄稿。 twitter:@suzurejio
■9月のブリコメンダー出没警報・注意報
茶河鯛一(ちゃが・たいち)
東京都杉並区生まれ、八王子市在住。小劇場を観たり、近年はよくわからないながらコンテンポラリーダンスも観たりしています。名前についてはスルー推奨。(主に)観劇予定ブログ→ http://hachiojitheater.seesaa.net/ twitter:@chaghatai_khan
■9月のブリコメンダー出没警報・注意報
9月のブリコメンダー出没警報・注意報
※警報は★、注意報は☆、それ以外は▼になっています。
▼8月22日(土)〜9月6日(日)
『転校生』
Zeppブルーシアター六本木(六本木)
http://www.parco-play.com/web/play/tenkosei/
作:平田オリザ 演出:本広克行
☆8月22日(土)〜9月6日(日)
M&Oplaysプロデュース『虹とマーブル』
世田谷パブリックシアター(三軒茶屋)
http://mo-plays.com/nijimarble/
作・演出:倉持裕
☆8月28日(金)〜9月7日(月)
日本の30代『ジャガーの眼2008』
駅前劇場(下北沢)
http://www.nihonno30.com/
作:唐十郎 演出:木野花
★★★9月2日(水)〜9月7日(月)
範宙遊泳『幼女Xの人生で一番楽しい数時間』
こまばアゴラ劇場(駒場東大前)
http://hanchuyuei.com/
▼9月3日(木)〜9月7日(月)
ハッカ『おつきさまがついてくる』
http://hacca.s502.xrea.com/
遊空間がざびぃ(西荻窪)
作・演出:小栗剛(qui-co.(キコ))
▼9月4日(金)〜9月6日(日)
川の間〈コネクション〉(葛飾区内各所)
http://kawanoma.tumblr.com/connection2015
5日:岸井大輔『始末をかく4』 6日:かつしかけいた『まちの声散策』
★★★9月4日(金)〜9月5日(土)
Produce lab 89『官能教育』第8回 神里雄大×マルケス『エレンディラ』
新世界(六本木)
http://producelab89.com/
☆▼9月4日(金)〜9月9日(水)
ケシュ ハモニウム タヒノトシーケンスvol.1『透明な動物と夜通し歩き回る』
http://kesyu.com/tahinoto/
新宿眼科画廊 スペース地下(東新宿・新宿三丁目)
チラシが気になる枠。(励滋)
▼9月4日(金)〜9月13日(日)
『幕末太陽傳』
本多劇場(下北沢)
http://www.taiyoden2015.com/
上演台本・演出:江本純子
☆9月5日(土)〜9月14日(月)
青年団リンク 玉田企画『果てまでの旅』
アトリエ春風舎(小竹向原)
http://tamada-kikaku.com/
▼9月8日(火)〜9月13日(日)
俺は見た『他人と一緒に住むという事』
SPACE雑遊(新宿三丁目)
http://orewamita.com/
観なかったけど、引っかかるチラシだった前回公演。(茶河)
▼☆9月8日(火)〜9月13日(日)
パラドックス定数『深海大戦争』
上野ストアハウス(上野)
http://www.pdx-c.com/
ダイオウイカvsマッコウクジラ(茶河)
▼9月9日(水)〜9月13日(日)
東京ELECTROCK STAIRS presents -ONLY YUCK vol.1-『七に似て』
http://www.tokyoelectrock.com/
七針(八丁堀)
▼9月11日(金)〜9月13日(日)
toi presents 7th『中田さんとおるすばん』
吉祥寺CLOSET
http://thetail.jp/archives/13888
作・演出:中田真弘(劇団InnocentSphere)
☆▼9月11日(金)〜9月15日(火)
演劇系大学共同制作 Vol.3『カノン』
東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)
http://endairen.net/test/canon2015/index.html
作:野田秀樹 演出:野上絹代
▼9月11日(金)〜9月13日(日)
アロリー・ゴエルジェ &アントワンヌ・ドゥフォール『GERMINAL(ジェルミナル)』
http://www.kaat.jp/d/germinal
神奈川芸術劇場・大スタジオ(日本大通り)
これまたチラシで。曰く「現代アート、思想史、情報学、メディア論を背景にした斬新な作品で
いま大注目のユニット」が「日本初上陸!」らしい……あぶない予感もするけど。(励滋)
▼9月11日(金)〜9月23日(水)
劇団競泳水着『Nice To Meet you, My Old Friend』『嗾け上手の初恋』
新宿眼科画廊 スペース地下(東新宿・新宿三丁目)
http://k-mizugi.com/
▼9月12日(土)〜9月20日(日)
風琴工房『無頼茫々』
ザ・スズナリ(下北沢)
http://windyharp.org/
☆9月12日(土)〜9月27日(日)
KERA・MAP『グッドバイ』
世田谷パブリックシアター(三軒茶屋)
http://cubeinc.co.jp/stage/info/keramap006.html
▼▼9月16日(水)〜9月23日(水)
柿喰う客『天邪鬼』
本多劇場(下北沢)
http://kaki-kuu-kyaku.com/
めこちゃんのクリアファイル、役に立ってます。(茶河)
☆9月17日(木)〜9月19日(土)
高橋萌登 単独ソロ公演『まどろみのしろ』
planB(中野富士見町)
http://www.mototakahashi.com/madoromi
☆☆☆9月17日(木)〜9月21日(月)
Co.山田うん『舞踊奇想曲 モナカ』
KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ(日本大通り)
http://yamadaun.jp/
現時点、私の観測範囲内においては最強のダンスカンパニーでなかろうか。(茶河)
※申し訳ありません。公演日が「9月17日(木)〜9月20日(月)」となっていましたが「9月17日(木)〜9月20日(日)」の誤りでした。お詫びして、訂正いたします。(落)
▼9月18日(金)〜9月19日(土)
明日のアー『ふたりのアー』
rope(北品川)
http://asunoah.tumblr.com/
デイリーポータルZの愛読者としては見逃したくないが…。(茶河)
☆▼☆9月18日(金)〜9月27日(日)
アマヤドリ『すばらしい日だ金がいる』
吉祥寺シアター(吉祥寺)
http://amayadori.sub.jp/
▼★9月18日(金)〜9月21日(月)
あひるなんちゃら『ピッピピがいた宇宙』
OFF・OFFシアター(下北沢)
http://www.ahirunanchara.com/
▼9月18日(金)〜9月22日(火)
Q市街+シニフィエ『潮/通過』
https://twitter.com/tide_passage
キッド・アイラック・アート・ホール(明大前)
若い人のも観る枠。(励滋)
★★9月19日(土)〜9月20日(日)
多摩1キロフェス2015
パルテノン大通り〜パルテノン多摩(多摩センター)
http://1kmfes.com/
コンドルズ、森山開次、TES、Baobab、川村美紀子、子供鉅人、鳥公園、水素74%、スイッチ総研…etc.
★☆★9月19日(土)〜9月20日(日)
多摩1キロフェス2015 ままごと×パルテノン多摩『あたらしい憲法のはなし』
多摩中央公園 きらめきの池 水上ステージ(多摩センター)
http://www.mamagoto.org/
▼9月19日(土)〜9月20日(日)
LAND FES vol.7 せんがわ
受付:せんがわ劇場(仙川)
http://land-jp.com/
“街をぶらり歩きながらライブとの出会いを楽しむランドフェスがふたたび仙川に登場!”…1キロフェスともろかぶりかー。(茶河)
▼9月19日(土)〜9月21日(月)
横浜ダンスコレクション『SEPTEMBER SESSIONS』
横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール(馬車道)
http://akarenga.yafjp.org/SS/2015/
▼9月19日(土)〜9月22日(火)
the pillow talk『砂』
http://thepillowtalk.jimdo.com/
王子小劇場(王子)
学生演劇祭参加作品。若い人のも観る枠。(雅季子)
▼☆9月19日(土)〜10月4日(日)
カタルシツ『語る室』
東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)
http://www.ikiume.jp/
▼▼9月23日(水)〜9月27日(日)
野鳩『ある計画』
千本桜ホール(学芸大学)
http://www.nobato.net/
★★★9月23日(水)〜10月7日(水)
木ノ下歌舞伎『心中天の網島』
こまばアゴラ劇場(駒場東大前)
http://kinoshita-kabuki.org/
演出・作詞・音楽:糸井幸之介
★9月24日(木)〜9月27日(日)
三条会「熱帯樹」
ザ・スズナリ(下北沢)
http://www.sanjoukai.jp/
18年前に初めて取り上げた戯曲に再び挑むというのには、ただならぬ想いを感じる。(励滋)
☆▼9月25日(金)〜9月27日(日)
相模友士郎『Navigations』
STスポット(横浜)
http://www.sagami-endo.com/
▼9月25日(金)〜28日(月)
ナカゴー特別劇場『ベネディクトたち/他』
スタジオよもだ(鶯谷)
http://nakagoo.com/
★▼★9月25日(金)〜10月3日(土)
ワワフラミンゴ『野ばら』
http://wawaflamingo.com/
下北沢 B&B(下北沢)
初演観ているからどうしようか。予約もできなさそうだし。(励滋)
▼9月25日(金)〜10月4日(日)
ヨーロッパ企画『遊星ブンボーグの接近』
本多劇場(下北沢)
http://www.europe-kikaku.com/
☆▼9月26日(土)
自己批判ショー20周年記念『サタデーナイト・ノットフィーバー−自己批判プレイバック−』
スタジオ空洞(池袋)
http://zico-hihan.sub.jp/
チラシを見たら蘇ったよ、そしてループして鳴り止まないよ「自己批判ショーのテーマ」が。むー、うっとおしい!(励滋)
★☆▼9月26日(土)〜10月11日(日)
ロ字ック『鳥取イヴサンローラン』
シアター711(下北沢)
http://www.roji649.com/
クレイジーなのが忘れがたく可愛い小野寺ずる、庭劇団ペニノでの芸者役も記憶に新しい日高ボブ美など、□字ックの女優はすごいのが揃ってマス。(雅季子)
鬼フェスで興味を持ったので、本公演も。(励滋)
マンスリー・ブリコメンド(2015年8月)
8月のマンスリー・ブリコメンドです。
おすすめ演劇のコーナー、コンセプトはこちらです。
残暑きびしい折、皆さまいかがお過ごしでしょうか。今月から、出没警報・注意報の形式に統一しました。
3人の行く先をあわせれば、BricolaQ特製カレンダーの出来上がり!
どうぞよろしくお願いします。
これから先も、いろんな進化があるかも!(落)
今月のブリコメンド&メンバー紹介
落 雅季子(おち・まきこ)
1983年生まれ。BricolaQドラマトゥルク。劇評を書きながら各地で『演劇クエスト』製作に携わる。「こりっち舞台芸術まつり!2014春」審査員など。 twitter:@maki_co
■8月のブリコメンダー出没警報・注意報
鈴木励滋(すずき・れいじ)
1973年3月群馬県高崎市生まれ。地域作業所カプカプ(http://kapukapu.org/hikarigaoka/)所長を務めつつ、演劇やダンスの批評も書く。『生きるための試行 エイブル・アートの実験』(フィルムアート社)や劇団ハイバイのツアーパンフに寄稿。 twitter:@suzurejio
■8月のブリコメンダー出没警報・注意報
茶河鯛一(ちゃが・たいち)
東京都杉並区生まれ、八王子市在住。小劇場を観たり、近年はよくわからないながらコンテンポラリーダンスも観たりしています。名前についてはスルー推奨。(主に)観劇予定ブログ→ http://hachiojitheater.seesaa.net/ twitter:@chaghatai_khan
■8月のブリコメンダー出没警報・注意報
8月のブリコメンダー出没警報・注意報
※警報は★、注意報は☆、それ以外は▼になっています。
☆▼8月8日(土)〜8月16日(日)
鉄割アルバトロスケット『HODOCHICCHI』
ザ・スズナリ(下北沢)
http://www.tetsuwari.com/top/index
☆★8月8日(土)〜8月16日(日)
子どもに見せたい舞台『アンデルセン童話集』
あうるすぽっと(東池袋)
http://toshima-saf.jp/2015/andersen.html
脚本・演出・音楽:糸井幸之介 振付:井手茂太
▼☆8月10日(月)〜8月16日(日)
劇団野の上『東京アレルギー』
こまばアゴラ劇場(駒場東大前)
http://ameblo.jp/zatsudan-nonoue/
★8月10日(月)〜8月30日(日)
音楽劇『青い種子は太陽の中にある』
オーチャードホール(渋谷)
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/15_aoi.html
寺山修司の音楽劇を、蜷川幸雄が演出。主演は亀梨和也。これ観るために(だけじゃないけど!)城崎から帰ります!(雅季子)
▼8月11日(火)〜8月16日(日)
The Stone Age ブライアント
『人が流されていく川』
サンモールスタジオ(新宿御苑)
http://the-stoneage-bryant-no3.jimdo.com/
チラシの雰囲気やあらすじを読んでもシリアスでしかないような作品のようだが、大阪で結成された「笑い」を得意とする劇団らしいし、最近考えている「演劇と社会問題/歴史」とか当事者でない者が創ること、なんてことにも連なるかもしれないので。The Stone Ageという劇団が、東京を拠点に「ブライアント」大阪を拠点に「ヘンドリックス」として創作しているのも興味深い。(励滋)
★★8月14日(金)
マームとジプシー『cocoon』
杜のホールはしもと ホール(橋本)
http://mum-gypsy.com/
☆☆8月14日(金)〜8月16日(日)
吉田アミ、か、大谷能生『ディジタル・ディスレクシア』
キッド・アイラック・アート・ホール(明大前)
http://www.ootany.com/
▼8月15日(土)〜8月30日(日)
ミュージカル『100万回生きたねこ』
東京芸術劇場 プレイハウス(池袋)
https://www.geigeki.jp/performance/theater93/
★8月19日(水)
岡田利規『God Bless Baseball』滞在制作成果発表上演&トーク
城崎国際アートセンター(城崎温泉)
http://kiac.jp/jp/events/1962
KIACで滞在制作した成果を、おもに町の人向けに上演する日。世界初演は9月、韓国・光州にオープンするAsian Cultural Complex / Asian Arts Theaterで。日本では、F/T15でお披露目の予定。 (雅季子)
★8月19日(水)〜8月20日(木)
オックスフォード大学演劇協会『ロミオとジュリエット』
東京芸術劇場シアターウエスト(池袋)
http://www.geigeki.jp/performance/theater098/
来日公演。英語上演です。ポスターを見ると、女性同士の恋物語なのかな? 何とか観たい一作。(雅季子)
☆▼8月19日(水)〜8月25日(火)
劇団子供鉅人『真昼のジョージ』
サンモールスタジオ(新宿御苑前)
http://www.kodomokyojin.com/
★▼☆8月19日(水)〜8月25日(火)
『15 Minutes Made Volume 13』
王子小劇場(王子)
http://www.mrsfictions.com/
出演団体:アナログスイッチ、タイタニックゴジラ、Straw & Berry、ポップンマッシュルームチキン野郎、DULL-COLORED POP、Mrs.fictions
21日(金)19:00の回のアフタートークに出演します。よろしくおねがいします。(雅季子)
▼8月20日(木)〜8月30日(木)
梅棒『クロスジンジャーハリケーン』
俳優座劇場(六本木)
http://umebou.daa.jp/
そろそろ一度は観ておきたい。(茶河)
☆☆8月20日(木)〜8月30日(日)
ダンスがみたい!17
d-倉庫(日暮里)
http://www.geocities.jp/azabubu/d17/
お題、春の祭典。21日:川村美紀子 25日:笠井瑞丈×上村なおか 28日:デュ社 30日:山田せつ子茶河
川村美紀子(21日)向雲太郎のデュ社(28日)ポコペン舞子の杉田亜紀(29日)辺りに出没か?(励滋)
☆8月21日(金)〜8月23日(日)
東京デスロック『Peace (at any cost?)』
アトリエ劇研(京都/松ヶ崎)
http://deathlock.specters.net/
来年3月に青森と埼玉で《5 YEARS PAST FROM 2011.3 VER.》の上演はあるようだが、《70 YEARS PAST FROM 1945.8 VER.》を観られるのは京都と香川(8月29日〜30日)のみ。▼8月21日(金)〜8月23日(日)
中野成樹+フランケンズ『おばけ教室3』
にしすがも創造舎(西巣鴨)
http://frankens.net/
厳密には「外の刺激+フランケンズ」名義。としまアート夏まつり2015(http://toshima-saf.jp/)参加作品。来年、仮校舎として使用されるためにひとまず閉館になるようなので、混むのかも知れぬ。(励滋)
▼8月21日(金)〜8月31日(月)
演劇集団 砂地『唄わない冬』
SPACE雑遊(新宿三丁目)
http://www.sunachi.net/
砂地の作品は翻案より新作のほうが好きです。(茶河)
▼8月21日(金)〜9月2日(水)
オフィスコットーネプロデュース『人民の敵』
吉祥寺シアター(吉祥寺)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~cottone/
作:イプセン 演出:森新太郎
★★★8月22日(土)〜8月30日(日)
KUNIO『TATAMI』
KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ(日本大通り)
http://www.kunio.me/stage/kunio12/special/
脚本:柴幸男
▼▼8月22日(土)〜8月31日(月)
『気づかいルーシー』
東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)
https://www.geigeki.jp/performance/theater091/
原作:松尾スズキ 脚本・演出:ノゾエ征爾
▼8月22日(土)〜9月6日(日)
『転校生』
Zeppブルーシアター六本木(六本木)
http://www.parco-play.com/web/play/tenkosei/
作:平田オリザ 演出:本広克行
☆8月22日(土)〜9月6日(日)
M&Oplaysプロデュース『虹とマーブル』
http://mo-plays.com/nijimarble/
作・演出:倉持裕
▼☆8月25日(火)〜8月30日(日)
切実『ふじきみつ彦 山内ケンジ 傑作短編集』
小劇場B1(下北沢)
http://e-pin.jp/setsujitsu/
▼▼8月26日(水)
笠井瑞丈 "Night Session" vol.8『愛しい月』
セッションハウス(神楽坂)
http://www.session-house.net/
21:45開演 笠井瑞丈×北尾亘
▼▼8月27日(木)〜8月30日(日)
庭劇団ペニノ『地獄谷温泉 無明ノ宿』
森下スタジオ Cスタジオ(森下)
http://niwagekidan.org/
☆8月28日(金)〜8月30日(日)
黒沢美香ソロダンス特集『この島でうまれたひと』
シアタートラム(三軒茶屋)
http://setagaya-pt.jp/performances/20150714-2625.html
▼8月28日(金)〜8月30日(日)
チェルフィッチュ『女優の魂』
新宿ゴールデン劇場(新宿)
http://chelfitsch.net/next_performance/post_153.html
▼8月28日(金)〜9月7日(月)
日本の30代『ジャガーの眼2008』
駅前劇場(下北沢)
http://www.nihonno30.com/
作:唐十郎 演出:木野花
★8月29日(土)〜8月30日(日)
ハイバイ『ヒッキーカンクーントルネード』
茅ヶ崎市民文化会館 大ホール 舞台上特設舞台
http://hi-bye.net/
ツアーもいよいよ大千穐楽!(励滋)
マンスリー・ブリコメンド(2015年7月)
7月のマンスリー・ブリコメンドです。
おすすめ演劇のコーナー、コンセプトはこちらです。
梅雨明けはまだかー! まだなのかー! 今月のおすすめ、いきまーす!!(落)
今月のブリコメンド&メンバー紹介
落 雅季子(おち・まきこ)
1983年生まれ。BricolaQドラマトゥルク。劇評を書きながら各地で『演劇クエスト』製作に携わる。「こりっち舞台芸術まつり!2014春」審査員など。 twitter:@maki_co
鈴木励滋(すずき・れいじ)
1973年3月群馬県高崎市生まれ。地域作業所カプカプ(http://kapukapu.org/hikarigaoka/)所長を務めつつ、演劇やダンスの批評も書く。『生きるための試行 エイブル・アートの実験』(フィルムアート社)や劇団ハイバイのツアーパンフに寄稿。 twitter:@suzurejio
■7月の鈴木励滋&茶河鯛一出没警報・注意報
茶河鯛一(ちゃが・たいち)
東京都杉並区生まれ、八王子市在住。小劇場を観たり、近年はよくわからないながらコンテンポラリーダンスも観たりしています。名前についてはスルー推奨。(主に)観劇予定ブログ→ http://hachiojitheater.seesaa.net/ twitter:@chaghatai_khan
■7月の鈴木励滋&茶河鯛一出没警報・注意報
7月の鈴木励滋&茶河鯛一出没警報・注意報
※警報は★、注意報は☆、それ以外は▼になっています。
☆6月27日(土)〜7月5日(日)
水素74%
「わたし」
http://www.hydrogen74.com/
三鷹市芸術文化センター 星のホール(三鷹)
★★6月27日(土)〜7月12日(日)
「cocoon」
https://www.geigeki.jp/performance/theater087/
東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)
☆▼7月3日(金)〜7月4日(土)
Produce lab 89『夢十夜を遊ぶ夜』─小説『夢十夜』を、鳥山フキが好きにする─
http://producelab89.com/
新世界(六本木)
▼
7月4日(土)〜7月5日(日)
「55: Music and Dance in Wood」
http://orange.zero.jp/bulldog-extract.boat/
相模湖交流センター(相模湖)
相模湖は遠いですか?八王子からは近いですよ。(茶河)
鈴木ユキオが踊ります。横浜の北のはずれからとて遠い。(励滋)
▼☆7月8日(水)〜7月14日(火)
「15 Minutes Made vol.12」
http://www.mrsfictions.com/
王子小劇場(王子)
出演団体:第27班 20歳の国 ジエン社 シンクロ少女 MU Mrs.fictions(茶河)
☆☆7月8日(水)〜7月15日(水)
Q
「玉子物語」
http://qqq-qqq-qqq.com/
こまばアゴラ劇場(駒場東大前)
☆▼7月9日(木)〜7月12日(日)
黒田育世
「波と暮らして」
http://batik.jp/
BEAR(両国)
▼7月11日(土)〜7月20日(月)
「ペール・ギュント」
http://www.kaat.jp/d/pg_kaat
KAAT 神奈川芸術劇場 ホール(日本大通り)
▼7月11日(土)〜7月26日(日)
「女中たち」
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2015/07/post_397.html
シアタートラム(三軒茶屋)
▼7月12日(日)〜8月2日(日)
「マクベス」
http://www.parco-play.com/web/program/macbeth/
パルコ劇場(渋谷)
▼7月17日(金)〜7月19日(日)
DEAD THEATER TOKYO
「桜の園」
http://deadtheatertokyo.strikingly.com/
RAFT(東中野)
第1回公演ながら気になるメンバー。(茶河)
▼7月17日(金)〜7月19日(日)
関村と浅野
「メロテスカー、他」
https://twitter.com/sekimurasano
スタジオ空洞(池袋)
関村俊介(あひるなんちゃら)と浅野千鶴(味わい堂々)のユニット。今回は浅野さんは出演せず。(茶河)
▼▼7月17日(金)〜7月21日(火)
ArCairo
「Phantom Form, Invisible Move」
http://arcairo14.wix.com/arcairo
こまばアゴラ劇場(駒場東大前)
マイムのいいむろなおきと長谷川寧(冨士山アネット)。なんか相性がよさそうなお二人。オシャレさん見逃すな。(励滋)
☆☆7月17日(金)〜7月22日(水)
さんぴん
「NEW HERO」
https://sanpin.theblog.me/
東京芸術劇場 アトリエイースト(池袋)
板橋駿谷(ロロ)、北尾亘(Baobab)、永島敬三(柿喰う客)、福原冠(範宙遊泳)の四人が、演出に三浦直之を演出に迎え、取材から創りあげるらしい。その第1弾らしい(励滋)
▼★7月17日(金)〜7月26日(日)
ベッド&メイキングス
「墓場、女子高生」
http://www.bedandmakings.com/
東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)
堂々再演、7月の大本命。(茶河)
▼7月18日(土)〜7月19日(日)・7月22日(水)
MOKK LABO
「ナイトサファリ日本橋」
http://mokk.cc/news/
東京グローブ座(新大久保)
ツアー形式のパフォーマンス。(茶河)
☆7月18日(土)〜7月20日(月)
□字ック主催
「鬼FES.2015」
http://www.roji649.com/
シアター風姿花伝(椎名町/下落合)
「小劇場版夏フェス」三つの会場であれこれあるらしい。夏フェスなのでお酒を飲みながら楽しめるらしい。二十数団体が参加、わたしはちょっと食わず嫌いしちゃっているところがほとんどなので、この機会に観てみたい気はしている。(励滋)
▼▼7月23日(木)〜8月3日(日)
「わかったさんのクッキー」
http://www.kaat.jp/d/wakatta
KAAT 神奈川芸術劇場 中スタジオ(日本大通り)
チェルフィッチュの岡田利規がこどものための芝居という新境地に挑む、とか。(茶河)
▼★7月24日(金)〜7月26日(日)
劇団ジャブジャブサーキット
「さよならウィキペディア」
http://www.jjcoffice.com/
ザ・スズナリ(下北沢)
ジャブジャブの東京公演を守る会会員なので。(茶河)
☆▼7月24日(金)〜7月26日(日)
off-Nibroll
「Dance in ASIA」
http://www.nibroll.com/offnibroll/main.html
STスポット(横浜)
モモンガコンプレックスの北川結が踊るのは26日。(励滋)
▼7月24日(金)〜7月27日(月)
shelf
「三人(姉妹)」
http://theatre-shelf.org/main.htm
RAFT(東中野)
三人姉妹というとなんだか観たくなる。(励滋)
▼☆7月25日(土)〜7月27日(月)・8月2日(日)〜8月8日(土)
ナカゴー
「率いて」
http://nakagoo.com/
ムーブ町屋 ハイビジョンルーム(町屋)
▼7月25日(土)
柿喰う客
「へんてこレストラン」
http://kaki-kuu-kyaku.com/
国立オリンピック記念青少年総合センター・カルチャー棟・小ホール(参宮橋)
こどもと観る演劇プロジェクト2015。夏休みなんだね。あちこちの「親子で観る」って企画やってるね。子どもの反応を見るのが愉しい。わたしは大村わたるが楽しみ。(励滋)
▼7月26日(日)〜7月27日(月)
多摩美術大学映像演劇学科3年表現?Aコース
「修羅と薔薇」
http://ft3a.webcrow.jp/
多摩美術大学 上野毛キャンパス 演劇スタジオ(上野毛)
「若くて尖がったのも観る」枠。(励滋)
☆7月26日(日)〜8月1日(土)
サンプル
「ヘンゼルとグレーテル 〜もう森へなんかいかない〜」
http://samplenet.org/
越後妻有「上郷クローブ座」/旧上郷中学校(森宮野原)
なんだか回遊型のような感じなのかしら。(励滋)
▼▼7月27日(月)〜7月29日(水)
ドリルチョコレート
「禊百景」
http://www.mc-r.com/
OFF・OFFシアター(下北沢)
▼☆7月28日(火)〜8月30日(日)
ダンスがみたい!17
http://www.geocities.jp/azabubu/d17/
d-倉庫(日暮里)
お題、春の祭典。28日:黒須育海 29日:マドモアゼル・シネマ 31日:鈴木ユキオ(茶河)
☆7月29日(水)
新人Hソケリッサ!
「寺尾紗穂 『楕円の夢』全国ツアー」
http://sokerissa.net/
伝承ホール(渋谷)
寺尾紗穂の初期の名曲「ある絵描きの歌」を聴いた時から、いつかこんな日が来るという予感があった。路上生活をしている/していた人たちのパフォーマンスグループ「新人Hソケリッサ!」との全国ツアー。7/17には京都、8/15仙台→8/22広島→9/6福岡→9/20高知→9/21神戸と続く。(励滋)
▼7月29日(水)〜8月2日(日)
monophonic orchestra
「時々は、水辺の家で。」
http://monophonicorchestra.com/
小劇場楽園(下北沢)
☆7月29日(水)〜8月2日(日)
N.N.N.afetr
「ダンスからこんにちわ。」
http://stspot.jp/schedule/nnnafetr.html
STスポット(横浜)
ダンスグループの作品公募企画「N.N.N.」の受賞者公演。aokid×橋本匠とkopicの二組。kopicの振付は東京ELECTROCK STAIRSの服部未来。(励滋)
☆7月29日(水)〜8月5日(水)
ブルドッキングヘッドロック
「1995」
http://www.bull-japan.com/
ザ・スズナリ(下北沢)
▼7月30日〜8月2日
東葛スポーツEP公演
「ニューヨーク ニューヨーク」
http://www.tokatsusports.com/
3331 ArtsChiyoda/ギャラリーB(末広町)
▼7月30日(木)〜8月9日(日)
男子はだまってなさいよ!
「男子!レッツラゴン」
http://www.dansiwa.com/gon/
本多劇場(下北沢)
☆▼7月31日(金)〜8月2日(日)
「パフォーマ70 HONMOKU」
http://performa70.yokohama/
HONMOKU AREA-2(市営バス「和田山口」)
31日:篠田千明・福留麻里 1日:黒沢美香 2日:梅田哲也(茶河)
★7月31日(金)〜8月9日(日)
劇団青年座
「外交官」
http://seinenza.com/performance/public/218.html
青年座劇場(代々木八幡・代々木公園)
作はパラドックス定数の野木萌葱。代表作『東京裁判』と対をなす新作か。(茶河)
▼7月31日(金)〜8月9日(日)
土田英生コレクション vol.3
「算段兄弟」
http://cucumber-m.com/news_selection3.html
三鷹市芸術文化センター 星のホール(三鷹)
マンスリー・ブリコメンド(2015年6月)
6月のマンスリー・ブリコメンドです。
おすすめ演劇のコーナー、コンセプトはこちらです。
梅雨入りだー! 遅くなりましたが今月のおすすめ、いきまーす◎(落)
今月のブリコメンド&メンバー紹介
落 雅季子(おち・まきこ)
1983年生まれ。BricolaQドラマトゥルク。劇評を書きながら各地で『演劇クエスト』製作に携わる。「こりっち舞台芸術まつり!2014春」審査員など。 twitter:@maki_co
鈴木励滋(すずき・れいじ)
1973年3月群馬県高崎市生まれ。地域作業所カプカプ(http://kapukapu.org/hikarigaoka/)所長を務めつつ、演劇やダンスの批評も書く。『生きるための試行 エイブル・アートの実験』(フィルムアート社)や劇団ハイバイのツアーパンフに寄稿。 twitter:@suzurejio
■6月の鈴木励滋&茶河鯛一出没警報・注意報
茶河鯛一(ちゃが・たいち)
東京都杉並区生まれ、八王子市在住。小劇場を観たり、近年はよくわからないながらコンテンポラリーダンスも観たりしています。名前についてはスルー推奨。(主に)観劇予定ブログ→ http://hachiojitheater.seesaa.net/ twitter:@chaghatai_khan
■6月の鈴木励滋&茶河鯛一出没警報・注意報
鈴木励滋
&茶河鯛一出没警報・注意報
※警報は★、注意報は☆、それ以外は▼になっています。
☆☆6月2日(火)〜6月14日(日)
「海底で履く靴には紐が無い」
http://stspot.jp/schedule/post-158.html
STスポット(横浜)
作・演出・振付はチェルフィッチュの山縣太一。(茶河)
▼6月3日(水)〜6月9日(火)
大森靖子×根本宗子
「夏果て幸せの果て」
http://oomorinemoto.jp/
東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)
★☆6月4日(木)〜6月14日(日)
ロロ
「ハンサムな大悟」
http://lolowebsite.sub.jp/
こまばアゴラ劇場(駒場東大前)
★▼
6月9日(火)〜6月16日(火)
劇団子供鉅人
「組みしだかれてツインテール」(東京公演)
http://www.kodomokyojin.com/
シアター711(下北沢)
今回は出ていない三男寛司が見たいなら13日のソワレです。(励滋)
☆6月12日(金)〜6月14日(日)
甘もの会
「わたし今めまいしたわ」
http://amamonokai.com/
新宿眼科画廊 地下スペース(新宿三丁目)
お噂はかねがね。(茶河)
▼★6月12日(金)〜6月29日(月)
青年団
「冒険王」「新・冒険王」
http://www.seinendan.org/
吉祥寺シアター(吉祥寺)
▼6月12日(金)〜6月14日(日)
劇団820製作所
「せーの」
http://820-haniwa.com/
神奈川県立青少年センター・多目的プラザ(桜木町)
★☆6月13日(土)〜6月21日(日)
木ノ下歌舞伎
「三人吉三」
http://kinoshita-kabuki.org/
東京芸術劇場 シアターウエスト(池袋)
5時間の大作のため、ハシゴ派的には悩みの種。(茶河)
当日券派にも悩ましい13時開演。何時から並べばよいのだ。(励滋)
▼6月13日(土)〜7月5日(日)
「メアリー・スチュアート」
http://www.parco-play.com/web/program/marystuart/
パルコ劇場(渋谷)
▼6月18日(木)〜6月21日(日)
CAVA(サバ)
「靴みがきと背広の男」
http://www.cava-mime.com/
セッションハウス(神楽坂)
▼6月18日(木)〜6月21日(日)
いきずり(劇団はへっ 改め)
「三拍子 おうち」
http://ikizuri.com/
STスポット(横浜)
▼6月19日(金)〜6月21日(日)
パスカルズ×少年王者舘
「永遠の休憩」
http://www.oujakan.jp/
座・高円寺1(高円寺)
今回はダンス公演です。(茶河)
▼6月19日(金)〜6月21日(日)
チーム夜営
「タイトルはご自由に。」
http://team-yaei.com/
新宿眼科画廊 地下スペース(新宿三丁目)
2014年のマイ新人王。(茶河)
▼▼6月19日(金)〜6月21日(日)
Baobab
「Marina bay Sans」
http://dd-baobab-bb.boo.jp/
PRUNUS HALL(淵野辺)
▼6月19日(金)〜6月21日(日)
劇団森
「班女」
http://gekidanshin.tumblr.com/
早稲田小劇場どらま館(早稲田)
三島由紀夫の「近代能楽集」のあれです。(励滋)
★▼6月19日(金)〜6月29日(月)
シティボーイズ
「燃えるゴミ」
http://ash-d.info/
東京グローブ座(新大久保)
作・演出は五反田団の前田司郎。(茶河)
じつは「お笑いスター誕生」の頃からの大好物。(励滋)
☆▼6月20日(土)
星屑ロケッターズ
「ROYAL STRAIGHT DECOLLAGE−汗はダイヤ編−」
http://www.session-house.net/
セッションハウス(神楽坂)
愛媛を拠点に着実な活動をしている星加昌紀率いるダンスカンパニー。昨秋以来の東京公演。(励滋)
▼6月21日(日)
(石榴の花が咲いてる。)
「傍目から視て」
http://zaccuro.blog.fc2.com/
SPACE EDGE(渋谷)
一日のみだが5回上演らしい。11時とか20時15分開演っての、ハシゴ派は気になるだろう。
わたしは“シリーズ2015-16「みる」?”という副題に惹かれているのだよ、きっと。(励滋)
▼▼6月22日(月)〜6月28日(日)
Noism1
「箱入り娘」
http://noism.jp/
KAAT 神奈川芸術劇場〈大スタジオ〉(日本大通り)
▼☆6月24日(水)〜6月28日(日)
わっしょいハウス
「木星の運行」
http://wasshoi-house.com/
3331arts chiyoda B104(末広町)
☆▼6月25日(木)〜6月27日(土)
捩子ぴじん
「URBAN FOLK ENTERTAINMENT」
http://urban-folk-entertainment.net/
横浜赤レンガ倉庫1号館(馬車道)
やるなら無条件で観ることにしている人のひとり、捩子ぴじん。(励滋)
▼6月25日(木)〜6月28日(日)
ヨーロッパ企画 イエティ
「俺の白飯を超えてゆけ!!」
http://www.europe-kikaku.com/
駅前劇場(下北沢)
▼6月25日(木)〜6月28日(日)
フロム・ニューヨーク
「ごめんなさい、ニューヨークから来ました」
http://fromnewyork.info/
OFF・OFFシアター(下北沢)
ブルー&スカイ、市川訓睦、中村たかしと曲者が揃う出演者。(茶河)
▼6月26日(金)〜 6月30日(火)
トリコロールケーキ
「アイアイアイ」
http://www.toricoro.com/
新宿眼科画廊(新宿三丁目)
気になっているけれど、ずっと観られていない劇団。(励滋)
☆6月27日(土)〜7月5日(日)
水素74%
「わたし」
http://www.hydrogen74.com/
三鷹市芸術文化センター 星のホール(三鷹)
★▼6月27日(土)〜7月12日(日)
マームとジプシー
「cocoon」(東京公演)
https://www.geigeki.jp/performance/theater087/
東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)
沖縄戦を描いた今日マチ子原作の舞台を早くも再演。予約できなかったよ…。(茶河)
当日券にチャレンジします!(励滋)
▼6月27日(土)
キラリふじみ・レパートリー
「絵のない絵本」
http://www.kirari-fujimi.com/program/view/456
くにたち市民芸術小ホール(矢川・谷保)
初演を富士見で観たので、今回は国立へ。(励滋)
マンスリー・ブリコメンド 新コンセプト(2015年5月)
2011年7月に始まったこのマンスリー・ブリコメンドも、私が2013年4月に管理人に入ってから早2年です。「ブリコメンド」とは、ブリコラージュ(寄せ集めてものをつくる手仕事)とリコメンド(推薦する)を掛け合わせた、初代管理人藤原ちからの造語です。私もこの名前が好きだし、これを引き継いでいきたいと思っています。
でも、この2015年に演劇をおすすめするということは、2011年とは違った覚悟がいることかもしれません。
このブリコメンドが始まった当時、小劇場演劇は、次々と若い才能の飛び出す勢いのあるジャンルとして注目されていました。斬新な手法で注目を集め、シンデレラストーリーの階段を駆けのぼっていった人たちもいます。このコーナーがつくられた動機には、そうした人々をバックアップして、より多くの人に彼ら/彼女らを知ってもらいたいというものが含まれていました。
ゼロ年代の終わりから2010年代のごく初期まで、プライベートな記憶の描写や、それを扱う作り手の繊細な手つき、言語センスの乱反射は、そのきらめきで多くの人を魅了しました。彼らは、記憶やそれに準ずる身近な問題意識をまず先鋭化させ、手法を確立することで、より大きな世界を相手取るような作品をつくっていく――かに見えました。
でも革命は起きませんでした。今のところ私はそう思います。乱反射していたセンスの彫琢は、いまだ発展途上です。
少しずつ、小劇場をめぐる風景が変わっているのをここ数年、感じてきました。かつて私も審査員を務めた「CoRich舞台芸術まつり!」は、参加団体100を超える一大イベントでしたが、2015年は残念ながら開催されませんでした。経営上の理由ではありますが、小劇場演劇が活性化している状態であればそんなことはないか、少なくとも中止に異議を唱える人たちがもっと現れたはずです。F/T公募プログラムの優秀作品を決めるF/Tアワードは、2012年も13年も海外勢が受賞し、日本の若手たちは苦杯を舐めました。若手演出家の登竜門のひとつと言われる利賀演劇人コンクール2014にいたっては「該当者無し」という寂しい結果です。岸田國士戯曲賞の受賞者も、近年は若手ではなくベテランが続いています。
演劇の人気が落ちたわけではないことはわかっています。人気を集め続けるカリスマ的な演出家もいるし、ジャニーズの舞台や2.5次元ミュージカルなどもかつてない隆盛を極めています。でもそれは、観客の欲望によって舞台芸術が消費されていくということと紙一重です。演劇が、カタルシスの材料になる状況を私はとても危惧しています。目の前で、生きた俳優が動いている感動と興奮に飲み込まれるのはたやすい(プロパガンダや洗脳への悪用は、演劇には向いているでしょう)。演劇を、ただの感動の確認と自己慰撫のための道具に貶めることを、どうして私が許せるでしょうか。
それでも私は、そしてブリコメンド執筆者たちは、劇場に通います。ですが、新しい人を発掘し、ここにすばらしい人がいるから見て見てと叫ぶようなおすすめはもうしたくありません。もちろん、若い人の作品を観に行くことをあきらめるという意味ではないのです。ブリコメンド執筆者は、みな愛情深く、演劇のことも作家のことも観客のことも大切に思っています。誰かがすばらしい作品をつくれば賛辞は惜しみません。でもそれは、惰性や手癖でつくられた作品を厳しく見つめるという意味でもあるのです。
長くなりました。
お芝居を久しぶりに観たいけれどどういうのがいいかしら? とか、来週は何をやってるんだっけ? というように、お芝居が初めてではない人には、マンスリー・ブリコメンドのカレンダーはとても役立つでしょう。小劇場はなかなか行ったことがなくて……という人にも取っ付きやすいラインナップを目指しますので、ぜひ毎月見に来てください。
このページでお芝居を選んだあなたが、新しい価値観に出会ったり、作品のアイディアに大いに笑ったりして、昨日よりも豊かな気持ちで今日を生きることができますように。
2015.5.3
マンスリー・ブリコメンド2代目管理人 落 雅季子