マンスリー・ブリコメンド(2014年10月)

10月のマンスリー・ブリコメンドです(コンセプトはこちら)。

観劇の秋も本番ですね。今月も、めいっぱいおすすめいきまーす。(落)

★メンバーのプロフィールはこちら。http://d.hatena.ne.jp/bricolaq/20120930/p1


今月のブリコメンド

藤原ちから/プルサーマル・フジコ twitter:@pulfujiko


鈴木励滋(すずき・れいじ) twitter:@suzurejio

■10月の鈴木励滋出没警報・注意報

カトリヒデトシ twitter:@hide_KATORI


徳永京子(とくなが・きょうこ) twitter:@k_tokunaga


落 雅季子(おち・まきこ) twitter:@maki_co

西尾孔志(にしお・ひろし) twitter:@nishiohiroshi


古賀菜々絵(こが・ななえ)





■キラリふじみレパートリー新作『奴婢訓』

10月22日(水)〜10月26日(日)富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ メインホール(鶴瀬)
http://www.kirari-fujimi.com/


近現代の三好十郎や平田オリザの戯曲のみならず、シェークスピアなどの古典をも、イメージ豊かな解釈で現代に蘇らせてきた多田淳之介。芸術監督を務める、ホームグラウンドであるキラリ☆ふじみのレパートリー・シリーズの第3弾となるのは、なんと、寺山修司が率いた「演劇実験室◎天井桟敷」の最高傑作とも謳われる『奴婢訓』である。
 寺山がしばし引用したベルトルト・ブレヒトの「英雄のいない時代は不幸だが、英雄を必要とする時代はもっと不幸だ」という言葉からも広がっただろう“主人不在の物語”は、当然ながら現代と繋がる。しかも、18世紀の作家ジョナサン・スウィフトの遺稿を元に着想を得て、さらにそこに宮沢賢治の童話で補強して寺山が30数年前に戯曲化したという構造は、すでに普遍性を備えており、“いま”に鋭く刺さる作品となることは間違いないだろう。
 一方で、寺山芝居の定番ともいえる「白塗り」「マッチを擦る演出」「妖しげな工作機械」などがどうなるかも、気になるところなのかもしれないが、じつはそこにはじぶんの興味はあまりない。 これまで数多繰り返されてきたような、冷凍保存された寺山の遺伝子の劣化コピーをいまさら観たいとは思わないからだ。

 逆に、もっとも観たいのは“人間/俳優”。

 もちろん正直にいえば、1978年の初演時、晴海の国際展示場(現在のビックサイト)という広大な場所で行われた、オートバイが走り馬が登場したという大スペクタクルな伝説に興味がないわけではないが、だがしかし、あの時代を熱狂させたものはじつは“人間/俳優”だったのではないか。あるいは、そこに“観客”をふくめてもいいかもしれない。地動説、天動説に倣い、「人動説」とも語られてきた寺山芝居のおそらく本質、ひとによってなにかが動き、生まれるような舞台を観たいと願う。
 そしてイメージするのは、かつて多田が演出した、「木ノ下歌舞伎」での『義経千本桜/渡海屋・大物浦』。今回も出演する山崎皓司(快快)が、主役の渡海屋銀平(じつは新中納言知盛)を圧倒的な人間力で立ちあがらせた作品だ。それはある意味、 劇団☆新感線も成し得なかった、理想的な歌舞伎の現代での再現。最大の見せ場であった新中納言知盛のすべてを背負っての壮絶な最期の圧力の高さは、単に、源平合戦と現代の日本の状況を重ねあわせる演出によって生まれた切実さ、だけではなかったはずだ。
 叶うならば、寺山芝居らしい舞台美術があってなお、まるで素舞台のごとく、俳優たちだけが浮かびあがってくるような光景が現れることを。だれも辿り着けなかった寺山芝居を、大いなる事件を、期待している。(日夏)






10月の鈴木励滋出没警報・注意報

※警報はこの色、注意報はこの色になっています。





9月29日(月)〜10月13日(月)
藤田貴大演出
「小指の思い出」

http://www.geigeki.jp/performance/theater058/
東京芸術劇場 プレイハウス(池袋)






10月1日(水)〜10月5日(日)
江戸糸あやつり人形座創立10周年記念公演
「人間人形世代」

http://acephale.jp/ 
上野ストアハウス(上野)
三条会関美能留が演出だというだけですが。






10月2日(木)〜10月5日(日)
村川拓也
「エヴェレットゴーストラインズ」
http://kyoto-ex.jp/2014/program/murakawa/ 
京都芸術センター(烏丸/四条)





10月2日(木)〜10月5日(日)
あうるすぽっとシェイクスピアフェスティバル2014
ロミオとジュリエットのこどもたち」
http://www.owlspot.jp/performance/141002.html
あうるすぽっと東池袋
ロロの三浦直之が演出、口ロロの三浦康嗣が音楽。若手の人気者たちに混じって中年の星・羽衣の日高啓介が出ているのに期待してしまう。






10月3日(金)〜10月5日(日)
Dance New Air ―ダンスの明日 2014
「To Belong / Suwung」

http://dancenewair.jp/program0107 
青山円形劇場(渋谷/表参道)
振付の北村明子インドネシア古武術プンチャック・シラットと出会って、数年にわたり創作し続けている作品。






10月3日(金)〜10月5日(日)
岩渕貞太
「conditions」
http://teita-iwabuchi.com/
森下スタジオ(森下)
相性のよい木藤歩の照明と、蓮沼執太の音楽。

  




10月3日(金)〜10月5日(日)
AMD
「Stock・Stock・Stock・Tokyo」
http://amd-ayamido.tumblr.com/
浅草橋天才算数塾(浅草橋)






10月4日(土)
カナガワリ・古典プロジェクト
「江の島まうで 舞をどり」
http://re-koten.com/index.php
江の島シーキャンドル サンセットテラス(片瀬江ノ島 江の島サムエル・コッキング苑内)
構成・演出・振付はモモンガ・コンプレックスの白神ももこ。フィナーレでみんなで踊る「総踊り」の予習はこちら↓






10月4日(土)〜10月13日(月祝)
20歳の国
「死ぬまでに一度でいいからロマンス・オン・ザ・ビーチ
http://20nokuni.com/
三鷹市芸術文化センター 星のホール(三鷹





10月9日(木)〜10月13日(月祝)
青年団+大阪大学ロボット演劇プロジェクト
「アンドロイド版『変身』」
http://www.seinendan.org/
KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ(日本大通り/元町・中華街
10月4日〜5日には城崎国際アートセンター(城崎温泉)でも公演あり。





10月10日(金)〜11日(土)
音響上演
「パブリックアドレス−音場2」
http://www.araki-masamitsu-paramiz.com/
STスポット(横浜)
マレビトの会の音響を務める荒木優光が音でつくる舞台。






10月10(金)〜10月12日(日)
イデビアン・クルー
「図案」
http://www.idevian.com/ja/index.htm
世田谷パブリックシアター三軒茶屋

 



10月10(金)〜10月13日(月祝)
劇団子供鉅人
「逐電100W・ロード100Mile(ヴァージン)」

http://www.kodomokyojin.com/
あうるすぽっと東池袋
東京に拠点を移して始動第一弾。この人たちは根っこに楽観があるから、悲劇が似合うのです。

 




10月11日(土)〜10月12日(日)
BATIK
「ペンダントイヴ-Studio Version-」
http://batik.jp/
森下スタジオ(森下)
黒田さんは踊るんだろうか?







10月11日(土)〜10月13日(月祝)
悪魔のしるし
「わが父、ジャコメッティ
http://akumanoshirushi.com/
神奈川芸術劇場 中スタジオ(日本大通り/元町・中華街
10月16日〜19日には京都芸術センター(烏丸/四条)でも公演あり。






10月11日(土)〜10月13日(月祝)
sons wo:
「キリンの親/モッツォ」
http://sonswo.web.fc2.com/
VISUALAB
会場は「ご予約された方へ個別に場所の詳細をご案内致します。」とのこと。劇場でないところを使うことが増えたからか、最近こういうの増えてますね。当日券派としてはちょっぴりイラッときます。






10月11日(土)〜13(月祝)
地点
「光のない。」
http://chiten.org/
神奈川芸術劇場 ホール(日本大通り/元町・中華街
10月18日19日には京都芸術劇場春秋座(茶山)でも公演あり。






10月12日(日)〜10月13日(月祝)
TOLTA
「傘の確率」
http://toltaweb.jp/
予約後に連絡(つつじヶ丘)





10月15日(水)〜10月21日(火)
Crakeresboat presents
flat plat fesdesu vol.3」

http://www.crackersboat.com/
こまばアゴラ劇場駒場東大前)
KENTARO!!率いる東京ELECTROCK STAIRSのキュレーションによるいろんなパフォーマンスのフェス。AプロBプロCプロあるよ。





10月15日(水)〜10月19日(日)および10月28日(火)〜10月31日(金)
東葛スポーツ
「クラッシュ」
http://www.tokatsusports.com/
3331 Arts Chiyoda/B104室(末広町/湯島)





10月18日(土)〜10月27日(月)
ハイバイ
「霊感少女ヒドミ」

http://hi-bye.net/
アトリエヘリコプター(五反田)
11月に名古屋・兵庫・香川・札幌のツアーあり。





10月22日(水)〜10月26日(日)
キラリふじみレパートリー新作
「奴婢訓」

http://www.kirari-fujimi.com/
富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ メインホール(鶴瀬)
俳優で舞台を選ぶことはほとんどないんですけど、榊原毅さんと大川潤子さんの久々の共演は見逃せません!!!






10月23日(木)〜10月26日(日)
カミグセ
「その揺れで触れる手」

http://ameblo.jp/kami-guse/
王子スタジオ1(王子)
つくにうららさんにはちょっと注目しています。





10月29日(水)〜11月3日(月祝)
MCR
「あの部屋が燃えろ」
http://www.mc-r.com/
小劇場B1(下北沢)






10月30日(木)〜11月2日(日)
FUKAIPRODUCE羽衣
「よるべナイター」

http://www.fukaiproduce-hagoromo.net/
青山円形劇場(渋谷/表参道)
今回は演出の糸井さんが直前までキラリに出てるんで、ちょっと違う路線が観られちゃうかもですよ。