7/17

バンクシーの映画『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』を観る。大変ユーモラスで刺激的だった。と同時に、他人をも作品にしてしまうバンクシーの悪意を感じないでもなかった。あとニューヨークってアートバブリーなのね、とか。


そして渋谷でこんなものを見つける。



そのまま歩いて青山へ。テスト・サンプル『文学盲者たち』。サンプル常連メンバーの稽古日程がもうちょっとあればもっと化けたのではないか、とも思うけども(地震の影響でこの時期に延期になったのだ)、実験的試みとして非常に興味深く、また、サンプルのある種の特質が浮かび上がっていたような気もした。つまり、彼らはそれぞれの妄念によって自立しているためか、相手のことを受けないし、どこに向かって話しているかよく分からない。その乱反射ぶりは『ゲヘナにて』にも通じるものであるし、もしかしたら今後のサンプルの(物語る方法の)ひとつの可能性なのかもしれないとも感じた。あとリアリズムとヌーヴォー・ロマンのあわいのような作風の、マティアス・チョッケの戯曲が個人的に凄く気になりました。特にあの「受賞者」と「博士」の関係は。たしかに「博士」の「受賞者」への想いは独善的だけど、そうはいっても人間、チャレンジをせずにはいられないのだ。Q