8/18 SHIWOFURU

マームとジプシー『塩ふる世界。』を横浜STスポットで。受付に召田の実子ちゃんが作った北海道の写真アルバムがあってすごく面白くて開演前に見てなごんでいたりもしたけど(わたしもひそかにとある「協力」をしてます)、いざ『塩ふる世界。』を観たら本当にひと皮剥けてて凄かった、てゆうか凄すぎた……。速度。ひろがり。エモーション。これまでのマームになかった種類の欲望、情念、大地の怒り、海の向こう、といったスケール。もちろんネットでもテレビでもひらいて情報にアクセスすれば現実世界はたしかに激動していて(革命、暴動、飢饉、虐殺、紛争、テロ、株の暴落、原発、および政治的社会的な混乱……)、そうしたことは聞こえてくるしもはやこの国の生活もそれと無縁ではきっといられないけども、彼ら「××な子供」は一見あたかもそれらと関係ないように見えるSHIWOFURU世界の中で、おそらくは現実世界の果てにあるその土地で、途方に暮れてとにかく漕ぐ、漕ぐ、漕ぐ、漕ぐ、漕いでいる、その姿は勇敢そのものでリズミカルで凛々しくて美しかった。


正直「化け物か」と思い、マチネ観た後でカトリさんと相談事のため居酒屋に入ったものの、2人ともしばらく言葉を失って溜息のようなものばかりついてビール飲んで、しかしソワレの時間が近づいてきたらそわそわしてしまって「やっぱりまた観に行こうかなあ」とわたしがぼそりと呟くも、カトリさんに「今日はもうやめといたほうがいい、打ちのめされるよ」とたしなめられてそうかと思ってトイレに行って頭冷やしても気持ちは変わらないので席に戻って「やっぱ行きます」と告げてひとまずSTスポットに向かってみたらギリギリ入れたので心して2回目を観た。


帰宅して水風呂を浴びて寝て起きて、朝の6時。身体を駆け抜けていった波動のようなものが未だあることに気付いて、昨日借りたCDを聴く、劇中で使われていたこのアルバムの名前にも何かしらの示唆を感じる。今回のマームを観ての、評判、のようなものについてわたしはもうよいのではないか、良い哉良い哉と思っているが、たぶんいろんな人が当然いろんなことを感じるだろう、言うだろう、受け止めるだろう、もしかしたら打ちのめされているかもしれない、よいと思う、みんないろいろ言ったらいい、てゆうかそんなことに誰にも何にももちろんわたしにも指図なんてできない、ただし自分自身の言葉で。自分の言葉でね。ここからがはじまりだよ。歩き出す。息をする。筋トレだ。世界を見よう。音楽だ。これはきっと次回への予告編。ウミネコが鳴いている。青い空で。海で。やつらの餌はなんだ? ミャアー。と、イメージはとにかく溢れてひろがっていく。


ああ、要するにもう、感動した!Q