12/16 ハシゴ

昼、こゆび侍『うつくしい世界』へ。予想以上にベタな演劇1.0だった。とある小道具の使い方がとても素敵だったし、主演の浅野千鶴さんをはじめ何人かの俳優は目をひいたし、実はあの乞食的存在が誰なのか最後まで分からなかったのでそこは驚いたのだけど、面白い設定のファンタジーとはいえどこか既視感が抜けないのは、場面場面の感情の扱い方が実はぞんざいだからではないか、とゆう気がしてしまう。クリシェに明け渡してしまう前に、もう一歩踏みとどまるものが必要なんじゃないかなあー。


埼京線で十条で降り、ひさびさに斉藤酒場へ。相変わらずおじさんおばさんで賑わっていましたですね。体を温める(酔っぱらわない)程度に日本酒を飲む。


そこから王子神谷まで30分以上歩いて、Cui?『爽快で豪快に罵倒し合えよ』。まだ本公演2回目だし、主宰も俳優も怖ろしく若いので、特に演技や構成に完成度を求めてはいないのだけど、正直もうちょっと光るものがあるのではないかな、とは、期待していたのだった。でも残念ながら描こうとしているものにほとんど切実さが感じられなかった。もっと実感のある世界を描くか、あるいは巨大な世界を描くかの方向で背伸びをすればいいのにと思った。狭い世界を描いているが、そのわりに実感のない、嘘、何かの真似事、のようにしか思えないのだった(もちろんあらゆる演劇が嘘であり真似事であるのは事実だが、それとは別の意味において)。演劇公演を打つのはお金もかかるし相当リスクが大きいと思うんだけど、もっと書いて書いて書きまくって、そのうえで舞台に載せられるもの(載せざるをえないもの)を見出してはどうだろうか?Q