1.全体について(学生パス・運営など)

――突然の呼びかけにも関わらず、お集まりいただきありがとうございます。今日はLikeでもDisでも好き勝手に喋りましょうというコンセプトなので、よろしくお願いします。

一同 よろしくお願いしまーす。

――まず皆さんにF/T13全体についての印象を聞いてみたいと思います。福井さん、森さんは今年がはじめての参加だったんですよね。いかがですか?

福井 学生パスでばんばん観に行けるのがいいなあと思いました。ただ、もっと販売期間を長くしてほしかったです。

清水 ほんとに! 買おうと思ったら終了してて買えなかった。

――1万円で20演目観られますからね。特に今回は国外公募プログラムも対象範囲内なのが良かったと思います。いつもはそこまで手がでなかったけど、おかげでかなり観に行けました。

福井 既に興味を抱いている学生にはありがたいだろうと思いつつ、これから演劇を観ようと考えている学生にはあまり浸透していないのでは、と感じました。大学の人と話すとき、毎回「F/Tって知ってる?」から始めなくちゃいけないんです。それで、だいたいの返事は「知らない」。これだけ大きな舞台芸術祭なんだから、演劇をやっていない人にも身近になるようもっと告知されればいいのにと思います。

森 外国から訪れた観客とも有意義な意見交換ができる状況になったらいいですよね。外国人のかたが日本人に「どの作品がよかった?」と英語で聞いても、ほとんどの人が戸惑ってうまく答えられていない様子を見かけたので。

――海外との関わりは今後の大きな課題になりそうですね。中村さんは今年がはじめてのF/Tで、さらにボランティアとしても参加したというのはかなり行動的ですよね。

中村優子(以下、中村) 去年は大学の先生に話を聞いて面白そうだなーと思っているあいだに終了していて。今年はボランティアにもブログキャンプ(岩城京子主宰)にも参加して、いろんな人と会えましたね。今まで演劇を観たことがほとんどなかったので、良い入口になりました。

――観るだけではなく、ボランティアであったり劇評を書いたりといった形で関わる学生も多いんですね。

宮坂 私は去年、ブログキャンプの研修生をやっていました。高校生だからU-18チケットで、国内公募プログラム以外は全部1000円なんですが、その制度がぜんぜん周知されていないと感じます。東京芸術劇場の公演に高校生割引があることを知っている人も少ないですよね。日本にいてこれだけ多くの海外作品を観られる良い機会なのに……。まわりの友達に、「演劇を観てみたいけど、高そうだし何を観たらいいかわからない」と言う子がたくさんいるんです。または演劇=劇団四季だったり……。(一同「あー」「わかる」)興味のある高校生はいっぱいいるんだから、安価で気軽に観られることをもっと告知すればいいと思います。
 一方でもっと高校生を歓迎してほしいという不満もあります。「U-18=18歳以下」だから4年制高校の生徒も学生チケット扱いだし、留学してた子は高校3年生でも18歳じゃないから学生扱いになっちゃう。パスも、対象が「大学生・大学院生・専門学生」だったので高校生がとれるのか事務局に問い合わせても、曖昧な回答だったり……。歓迎しているのかしていないのか、わからないですね。

福井 高校生のときは、チケットが安くても交通費が壁になっちゃうことがありました。池袋周辺でまとまっているのはハシゴする分にはありがたいけど、さらにエリアを広げたら認知が広がる気もします。

――F/Tの場合は豊島区が始めてる催しだからね。今回はアサヒ・アートスクエアが使われたことで、広がりを感じました。ちょっと遠いけど(笑)。

杉本 パスの影響もあるのか、観客が増えた印象でした。去年は公演前日でもチケットが取れたのに、今年はほとんど取れなかった。会場には人がたくさんいるし、PortBの『東京ヘテロトピア』参加者もよく見かけました。でもいろんな人が来ているのかは微妙なところですよね……。
 全体の印象としては、運営が良くないように感じました。空き席や公演会場へちゃんと案内されなかったり、チケットセンターへ問い合わせてもはっきりと返答されなかったり、ということが一度だけじゃなく何回かあったんです。F/Tはボランティアが多くても、短い期間で研修して、しっかり誘導してくれる印象があったのに。

――そういえば、ボランティアの募集が例年より遅かったですね。

中村 台風の影響で、本来は2回だった研修が1回になった等の事情もあるみたいです。

杉本 アーティスト側はアクシデントを意図して作品をつくっているわけじゃないから、スタッフワークの不手際で良い印象がなくなるのは残念です。運営が大変なのもわかるけど、良くない対応を受けた経験は作品やフェスティバル全体への不満に繋がるから。



1.全体について(学生パス・運営など)
2.『石のような水』(松田正隆×松本雄吉)(NEXT)
3.『光のない。(プロローグ?)』(宮沢章夫)
4.『光のない。(プロローグ?)』(小沢剛)
5.『100%トーキョー』
6.『ガネーシャvs第三帝国』
7.字幕問題
8.「これから」について