9/1 5日目、新潟へ

5日目。3時過ぎに起こされ、友人Oと一緒に彼のアルファロメオに乗り込み、一路、北陸を目指す。助手席に乗る人間の役目のひとつは、運転手を励まして眠気を振り払うことだが、この日は眠すぎてすまんと言って助手席でしばらく寝ていた。起きるたびに友人Oの眠気具合を確認していたのだが、やや眠いかも、て感じになったのでサービスエリアで仮眠。不思議な夢を見た。なんだか外国と日本とが裏返っているような。

そこでご当地B級グルメを朝食として食べ、ドライブの続き。柏崎の近くでは、一瞬、不気味な建物群が見えた。ほんの一瞬のことだったが、なんだか嫌な汗が出て、二人とも無言になった。オザケンの陽気な歌がカーステレオから流れていたけれどもそれもどこか遠いもののように感じてしまった。やっぱり原発は無くしてほしいと思う。段階的に切り替えていくのが現実的な方策であるにしても、やはり理念的な方向性として「脱原発」をうたっていくしかないのではないか、この国は。事故一発でこの田畑やここに生きる人たちの生命が脅かされるのである。そして事故は起こりうるものだ。人的災害の可能性だってあるのだ。日本の低いセキュリティー能力でそれを完全に防ぎうるとは思えないのだが……(こんなことはわたしだって書きたくない)。電力の供給に問題があるにしても、今までのように無駄に使いまくる生活からの脱却は全然可能なはず。もちろん経済界は立場上それに異を唱えると思うから、もう少し総合的に(パブリックに)これからどんな社会を選択していくのか、そのひらかれた話合いの場を構築していくのはやはり政治家の仕事ではないか。

しかし、今はこの国の政治よりも友達の未来である。ハナから負け戦のようなものだけど、可能性はゼロではないだろう。人の心を盗めるかどうか。でもきっと難しいだろう。これは遊びではないのだし、彼は少なくともこのアルファロメオを賭けるくらいのリスクは負うだろう。相手はどうだろうか。そして結末はどうなるのだろうか。

でも今回の旅で、人間がめんどくさい生き物だってことはイヤというほど痛感した。そしてそれはアリだなと思った。めんどくさい人間同士がどうやって生きていけるかに賭けたい。

 




新潟に到着して、友人Oとは握手して別れる。本町のあたりで降ろしてもらったので、近くにあった六曜館とゆう名前の喫茶店に入った。感じのいい老齢のご主人がひとりで店を切り盛りされていた。なんだか好感を持った。どこか町に入る時、こうやっていい感じの店に出会えるかどうかは結構大事なポイントだと思う。それで、今日は新潟市に泊まることに決めた。佐渡にわたろうかとか、いろいろ迷ったのだけど、もうちょっとこの町に居てみたくなった。それから、アサダワタルくんに教えてもらった上古町とゆうエリアを目指して歩く。

 




ヒッコリースリートラベラーズ(hickory03travelers)とゆうデザイナーズショップ。入ってみて瞬間すぐになんかいい雰囲気だなあ、と思った。しばらく店内を物色して、2Fにあがると、そこは1Fとはがらりと雰囲気が違っていた。店員の方に聞いてみたら、もともと長屋の酒屋だったものを改造したそうで、だから屋根は繋がっているし、店の前にかかっていた看板も外して横っちょに付けたのだという。なるほど。古い建物のリノベーションはそれこそ大阪の中崎町をはじめ各所であるけれども、ここは本当にいい感じに出来上がっているように思った。Tシャツ、ボールペン、ノート、封筒などを買う。ノートは、本来トンボを付けて断ち切る部分を切らないで、トンボごと綴じていて、面白いなあと思った。そのお店の人(後で野中春花さんとゆう方だと分かった)といろいろ話す。アサダくんに紹介してもらった、とゆう気安さがあったとはいえ、なんだかとても話しやすい人で好感を持った。ヒッコリースリートラベラーズについて、上古町について、新潟について。いろいろ教えてもらう。

 
 
 



そしてここで橋本くんと合流する。彼はとあるプロジェクトのために東北を旅行して、今日ちょうど新潟を通過するところだったのだ。まさかここで会うことになるとは思わなかったけど。ほんとは越後湯沢に一泊する予定だった彼を誘って、新潟に宿泊しませんか、と古町の近くに宿を予約。それで野中さんに教えてもらった麹入りのジュースを飲み(甘酒のような味だった、超美味しい!)、彼が乗ってきた快快カーに乗り込んで、郊外のドライブインへ。


この場所についてはいずれ橋本くんがレポートをどこかに書くだろうから、ここでは特に書きませんが、まあ、凄かったです。

 




で、さらにもう一軒、柏崎のドライブインを見てきたいとゆう彼といったん別れて、先にホテルへ。テレビを付けたらナビスコジャパンをやっていた。ひとっ風呂浴びて、エレキングの原稿の仕上げと、マンスリー・ブリコメンドの更新作業に取り組む。わりとひと段落したところで橋本くんが帰ってきたので、ライター仕事についてとか話しながらホテルの近所の店へ。彼にとって思い出の店らしい。そこで地酒を何種類か利き酒のようにして飲む。ピーナッツ豆腐が特に美味しかった。

そろそろ河岸を変えるかい、と古町の7〜8丁目方面へ。目を惹いた店は「そば・うどん」と書いてあるけど明らかに居酒屋風で、タイムサービスが22時まで生ビール半額の140円だったので入ってみた。22時まであと4分あった。でも考えてみれば280円でも安い。そして天ぷらを一本単位で注文できるのが串カツみたいで良かった。

最後はラーメン屋で締め。ここも橋本くんは思い入れがあるらしい。Q