11/13 F/Tクロージング

ぐったりしていたけれども、ジェローム・ベル『ショー・マスト・ゴー・オン』を観に埼玉へ。二階席から観た。「劇場」の立ち上げ方は期待をそそるものだったけれども、結局のところ「ただのエンターテインメント」にしか思えなかったのは、この作品が、その外にある世界や身体に対して何らの揺さぶりを持たないように思えたからだ。客席からしばしば巻き起こる笑いに、終始イライラさせられた。いったん笑い始めると、観客は、笑いに対してハードルが下がる、みたいなことを前にN村君がゆってた気がするけどそれは本当にそうで、もう観客が次の笑いを待ち構えているのが分かる。……もっと、観客を揺さぶって震撼させるようなものが観たかったなあ、と思うけれども、それはベルさんではなくて別の誰かに期待したほうがよいのかな。とにかくわたしの考える「新しいエンターテインメント」はもっと別のものなのだ、との決意を新たにした。学べるところは大きかった気がする。


そのあとF/Tのクロージングパーティにお邪魔して、いろいろな人たちとお話した。とても楽しい会だったけれども、やはりここはアーティストや制作者同士が話す場であって、わたしのような(批評とかやってしまうような)人間は門外漢なのかもしれないな、とゆう寂しい気分も最後のほうで少し押し寄せた(全然、邪険にされたとかではないのですが)。批評やそれに類する言葉は、どうしても毒を孕む。寅さんがどうして葛飾に腰を落ち着けられないのか少し分かったような気がして、例の「これが渡世人のつれえところよ」の台詞も頭に浮かんできたりしたのだった(笑)。ともあれ、賛否両論は山ほどあったと思うけれども、これだけの大イベントをやってのけるのはかなり大変なことで、F/Tのスタッフの人たちをねぎらいたい気持ちもあったし、次いつお会いできるか分からないので、顔を出させてもらえたことは本当に良かったです。また会う日までー。


あと、ロロの人たちに会えなかったのが残念。元気にしてっかな。Q