report
世田谷パブリックシアターの会議室。七日間にわたった批評課の最終日、わたしは、偶然残っていた中学生演劇部古参のミス・カチューシャ、中学二年生ながら華麗なファッションでみんなを魅了するミスター・ジャケット、ワークショップ内で行ったインタビュー…
藤原ちから 六日間、中学生たちと批評のワークショップやってみて、率直に言ってどうですか?柏木陽 逆にちからさんはどうですか?藤原 えっ、そうですね……。小学生、高校生のワークショップは経験があったけど中学生とは確か初めてで、難しい年齢という先入…
進行役のひとり藤原ちからがホワイトボードに「批評 ― 愛と距離」と書いたのは、批評の対象は作品作家観客世の中種々様々なものが考えられるし、もしかすると演劇芸術アートそのものが対象かもしれない、しかしいずれにしてもそこからは距離を取らねばならな…
午前中に、ふたり一組でインタビューの練習したじゃん。その時にわたしはお兄ちゃんと一緒になって、そう、初日にわたしが名前間違っちゃった子。や、もう間違えないよ、弟くんのほうとは今日最初にじゃんけんエクササイズもやったし、仲良しだよ。そう、で…
― 柏木陽さんが、中学生批評ワークショップをやりたいと思ったのはなぜですか? 柏木 世田谷パブリックシアター演劇部の中学生の子たちを見ていて、たとえば誰かの発表を見てフィードバックする時に、返す「手」が足りないなあとずっと思ってて。見たものに…
三日間の休暇のあと、あなたは再びワークショップにやってきた。あたらしく知り合った人々とは自然に言葉をかわせるようになっただろうか? 同じ演劇部の仲間と手をつないだり、名前を呼びあったりすることに、少しは慣れただろうか? さて、男が紙の束を取…
午後2時25分、三軒茶屋の商店街を、中学生たちと歩く。ワークショップ会場の小学校から、徒歩で10分ほどの劇場に行き、これから、とある演劇を観るのだ。少女たちはおしゃべりしているので歩みが遅い。私は、先ほど一生懸命覚えたみんなの名前を、心の中でひ…
SPAC-静岡県舞台芸術センターでは、今年もゴールデンウィークに「ふじのくに⇄せかい演劇祭」が行われる。今回、SPACの新作として発表される『メフィストと呼ばれた男』(Mefisto For Ever)はベルギーの劇作家トム・ラノワが、ナチス政権支配下にあった当時…